10/23朝日新聞 (労働基準監督署で)労災申請書渡されず男性自殺
労働基準監督署(労基署)に労災請求の相談に行った方が、精神疾患(労災の場合正確には精神障害)が原因の労災認定は難しいと説明され申請(ただしくは請求 以降請求で統一します)するのをあきらめた。この方は、結局精神科に行くこともなく自死という結果となり、ご遺族が、この時の労働基準監督署職員の対応が原因であると国を提訴という記事。本当に残念なことです。
「生活保護の水際作戦を連想」との識者コメントありますが、本当に行政あるあるだなと。私が労働相談員やってる際は、質問されなければ自分の主観で通る通らないは決して言いませんが(そもそも自分に決定権ありませんし)、この場合請求しようとした方が、質問してしまった可能性はあります。その辺りは書かれていないので事実は定かではありません。
同じ精神疾患でも労災と障害年金とで異なる点は、障害年金は専門の審査部署があるのに対し労災にはそういった部署はなく、それぞれ請求を受け付けた労働基準監督署が担当する点。こうした構造がもしかするといわゆる水際作戦をやっているかもと思わせる背景ではありますが、行政職員は、労働基準監督署に限らず、とにかく申請(請求)を受け付けたがらない割(いちばん顕著なのは個人的には警察であるように感じます)には、いわゆる「申請主義」を金科玉条のようにとらえてる人がほとんどですから、申請希望なら申請しますと言い切ることが大切です。もちろんそこまで相談者側がする義務もないとは思いますが、現実的にはそこまでしないとうまくあしらわれてしまうことがあるのも事実です。
これは、障害年金の場合、事実上年金事務所で障害年金の相談を一度受けないと請求書(診断書様式含む)をもらえない時期があったこと、労働基準監督署にて労働基準法上の「申告」をしようとする際などにも通ずる点があります。これらについて深く掘り下げてみるのはまた別の機会にしたいと思います。