このページでは労働基準監督署(労基署)とパワーハラスメント(パワハラ)の関係についてまとめてみました。
まずパワハラの件で労働基準監督署に相談というのは、半分は正しいですが、半分は正しくないともいえます。その点についてご案内していきたいと思います。
先に「正しくない」とした方から説明いたします。
これはひとえに、役所内の役割分担が元になっています。
労働基準監督署というところは、労働基準法、労働安全衛生法といった法に基づく監督などを行う行政機関であり、いってみればその分野では「警察」みたいな役割を担っていますが、労働分野全般を取り扱っているところではありません。例えば雇用分野ではハローワークがあるようにです。
また、パワハラというのは基本「刑事」ではなく「民事」に属する分野であり、労働基準監督署は基本的に民事に関する案件は取り扱わないことになっています。よって、繰り返しになりますが、労働問題全般を取り扱うところではなく、パワハラについては担当外ということになっています。
ではなぜ半分は「正しい」としたのか。
これは、労働基準監督署と同じ建物内に「総合労働相談コーナー」というパワハラのような民事的問題の相談も受け付ける窓口が併設されているからです。実際、労働基準監督署に「パワハラの相談です」と電話でもかければその部署に回されます。なので、そういう意味では誤りではありませんが、そこは建物は同じであっても労働基準監督署の一部署ではありません。
パワハラ関連の問題は、○○労働局(例えば東京労働局)という名称の、都道府県に1つある労働局が取り扱っています。その中にパワハラ関係も取り扱う部署が存在しています。各地の労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーは、その出先機関に過ぎません。よって、パワハラに関する相談(あるいは通報)は、労働局内の専門部署に行うのが原則となります。そして、その相談なり通報の後は、どういう流れになっているかは当サイト内でもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
またもう1つ「正しくない」例をご紹介します。それは役所内部でのパワハラです。
総合労働相談コーナーは、もともと「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」という長い名前の法律を根拠として開設されているのですが、この法はいわゆる公務員を対象外としているからです。パワハラに関しては別の法律(労働施策総合推進法)が根拠となっていますが、そちらでもやはり公務員は対象外ですので、話くらいは聞いてもらえるかもしれませんが、労働局内で準備されている救済制度の適用対象とはなりません。
以上、パワハラと労働基準監督署との関係についてまとめてみました。
最後に、パワハラをはじめとするハラスメントに関するご相談を随時うけたまわっております。
初回は無料とさせていただいておりますので、お気軽にご活用ください。LINE、ZOOM、電話などさまざまな手段をお選びいただけます。